ブルーベリー作況レポート

2026.07.29

North American Blueberry Council

 

 

<エグゼクティブサマリー>

 

ブルーベリー業界は、国内の主要生産地全域で続く猛暑や害虫被害の深刻化に加え、供給量が過去数年の記録的な水準を下回るなど、シーズン中盤の厳しい状況を迎えている。
ジョージア州では2026年の加工シーズンが終了し、冷凍ブルーベリーの生産量は2007年以来の低水準となる見通しである。生産者は現在、樹勢の回復と2027年産に向けた生育の促進に重点を移している。
ミシガン州では収穫が本格化しているものの、猛暑の影響により品種の成熟が早まる一方、収穫効率が低下しており、生産量は過去2年を下回っている。
ワシントン州は、収穫が予定より約10日早く進んでおり、史上3番目の規模となる見込みである。特に加工向け需要が堅調で、価格も良好に推移すると予想される。
ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)は、主力品種・デュークの不作を受け、州全体の生産量予測を1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)へ下方修正した。デュークの収穫量は平年比35~40%減となる見込みで、その他の多くの品種も平年を5~10%下回っている。
オレゴン州では複数の品種で収穫が進んでいるが、依然として、オウトショウジョウバエ(SWD)の防除が最大の課題となっている。生産量予測は1億5,500万ポンド(約7万300トン)に据え置いており、その内訳は加工向け55%、生鮮向け45%である。
ニュージャージー州では、華氏100度(約38℃)を超える猛暑が2日続いたことから、生鮮向けシーズンは事実上終了した。現在は、冷凍加工向けを中心に、機械収穫による取り残し果実の回収作業が進められている。
ペルーでは前年を大きく上回るペースでシーズンが進んでおり、第28週までの累計出荷量は4,400万ポンド(約2万トン)と前年同期比116%増となった。第28週だけでも世界全体で1,080万ポンド(約4,900トン)が出荷されている。

 

 

<主なポイント>

 

● ジョージア州の2026年の加工向け生産量は、2007年以来、最低水準の一つとなる見通しであり、今シーズンの冷凍向け生産はすでに終了している。2027年産の生産量は、生鮮向け8,000万ポンド(約3万6,300トン)、加工向け2,000万ポンド(約9,100トン)、合計1億ポンド(約4万5,400トン)を見込んでおり、8~9月により詳細な評価を実施する予定である。

● ミシガン州では、ヴァンビューレン郡全域で収穫が本格化しており、ブルークロップ、トップシェルフ、ヴァラーなどの中生品種を収穫中である。一方、晩生品種のエリオットは平年より7~10日早く成熟している。華氏90度(約32℃)を超える猛暑が続いたことで着果量が減少し、生産量は近年を下回っている。

● ワシントン州では、収穫スケジュールよりも約10日早く進んでおり、東部ではドレイパーの2回目の収穫を終えた。ペルー産の供給が季節的に減少することから、シーズン終盤は良好な価格環境が期待されている。生産量は過去2年間の記録的な水準には及ばないものの、依然として史上3番目の規模となる見通しである。

● BC州は、2026年の州全体の生産量予測を1億3500万ポンド(約6万1,200トン)へ下方修正した。州内の栽培面積の約半分を占める主力品種・デュークの収穫量は平年比35~40%減となる見込みである。今春に広範囲で発生した受粉不良が減産の主因とみられ、ほぼすべての品種が程度の差こそあれ影響を受けている。

● ニュージャージー州では、猛暑の影響で生鮮向けシーズンが予定より早く終了し、生産者は加工向け原料の確保をするため、機械収穫へ移行している。カナダの山火事による煙は地域内で確認されているものの、果実への顕著な影響は確認されていない。

● ペルーの2026/27年シーズンは前年を大幅に上回るペースで推移しており、第28週までの世界向け累計出荷量は4,400万ポンド(約2万トン)と前年同期比116%増となった。このうち、累計出荷量の39%が米国向けである。

● SWDの発生はオレゴン州、ワシントン州、ミシガン州で深刻化しており、散布間隔を短縮した集中的な防除が必要となっている。特にオレゴン州では過去最短の散布間隔で防除を実施しており、今後も高温が続く予報となっていないことが、シーズン終盤のSWD防除における懸念材料となっている。

 

 

<地域別作況>

 

地域 主なポイント 見通し
ジョージア州
作物レポーター:
デリン・ウィーラー
2026年産の冷凍向け生産は終了した。 州内では約32~37℃台の猛暑が続いており、今後1週間も最高気温は約31~34℃で推移すると予測されている。摘心を実施済みである。樹勢の強い品種(オプティマス、センチネル)では1回目の摘心を終えており、8月上旬に2回目の摘心を予定している。一方、樹勢が中程度の品種(キークリスプ、ファージング)では現在1回目の摘心を行っている。病害虫の発生圧は依然として高く、藻菌類による茎枯病やセプトリア葉斑病が広く確認されている。また、多くの農場でコナジラミ類、チャノキイロアザミウマ、ノミハムシ、ブルーベリータマバエの発生も確認されている。収穫後の新梢の伸長は、良好である。 2026年の加工向け生産量は、2007年以来の最低水準となる見込みである。2027年産の生産量は、生鮮向け8,000万ポンド(約3万6,300トン)、加工向け2,000万ポンド(約9,100トン)、合計1億ポンド(約4万5,400トン)と予測されている。8月から9月にかけてより詳細な評価を実施する予定である。
ミシガン州
作物レポーター:
エミリー・パルカンツキー
7月の大半にわたり、約32℃を超える猛暑と、体感温度が約38℃を超える厳しい暑さが続いた。週末までは最高気温が約31℃前後で推移し、その後は気温が低下する見込みである。猛暑の影響により、ヴァンビューレン郡では収穫がやや前倒しとなり、複数の品種の収穫時期が重なっている。また、高温のため、月曜日から水曜日にかけては作業員が涼しい早朝の時間帯に限って収穫を行ったことから、収穫効率は低下した。現在、山火事の煙の影響で大気の質は悪化しているものの、ブルーベリーの生育への長期的な影響はないとみられており、果実も乾燥した状態を維持しているため、収穫に支障は生じていない。アザミウマ類、サクラシンクイムシ、マメコガネの発生が多く確認されている。一方、ブルーベリーミバエおよびSWDの発生はやや減少したものの、引き続き注意が必要な害虫である。 ヴァンビューレン郡では収穫が本格化している。エンボイは1回目の収穫を終え、ドレイパー、ネルソン、ブルーゴールドは2回目の収穫が完了した。現在はブルークロップ、トップシェルフ、ヴァラーの収穫を行なっている。晩生品種のリバティやレガシーは週末までに収穫が始まる見込みである。エリオットは平年より7~10日早く生育が進んでおり、ミシガン州南部および内陸部では第30週に1回目の収穫が始まる見通しである。アレガン郡およびオタワ郡ではブルークロップの収穫へ移行している。加工向け品種のルーベル、ブルージェイ、ブルーレイの収穫も進んでおり、来週には収穫量がさらに増加する見込みである。一方、マスキーゴン郡の収穫はアレガン郡およびヴァンビューレン郡より約2.5週間遅れている。州全体の生産量は過去2年間を下回っている。来週には州全体で収穫のピークを迎えると予想されており、収穫量は今週と同程度となる見込みである。
ニュージャージー州
作物レポーター:
アレック・アリーナ
華氏100度(約38℃)を超える猛暑が2日続いたことにより、生鮮向けシーズンは事実上終了した。現在は、生鮮収穫後に残った果実を機械収穫し、冷凍加工向けをはじめとする加工用途へ仕向けている。地域内ではカナダの山火事による煙が確認されているものの、果実への顕著な影響は確認されていない。 生鮮向けシーズンは終了し、残りの収穫物は加工向けに回されている。
ワシントン州
作物レポーター:
アラン・シュライバー
東部ではドレイパーの2回目の収穫が完了した。労働力は全体として十分に確保されている。SWDの発生は依然として多いものの、適切な防除を実施している生産者では、被害は効果的に抑えられている。今年は全体的に果実サイズがやや小さく、大玉果の割合は例年を下回っている。州西部では生鮮向けの収穫が本格化しており、北西部では加工向けの収穫も間もなく始まる見込みである。州西部の生鮮向けの手摘み収穫に必要な労働力は、おおむね確保されているものの、一部では不足感もみられる。西部のSWDの発生圧は高く、主力品種のデュークにおいては、通常2回程度の防除散布に対し、今年は4回の散布を実施している。東部では気温が約38℃に達しており、西部でも今後3日間は約32℃前後の暑さが続く見込みである。 東部では、オーロラなどの晩生品種の収穫が来週から始まる予定である。慣行栽培の生鮮向けブルーベリーは初期出荷が順調で、有機栽培の生鮮市場も比較的堅調に推移している。収穫は例年より約10日早く進んでおり、シーズンも例年より早く終了する見込みである。シーズン終盤はペルー産ブルーベリーの市場流入が限られると見込まれることから、価格は堅調に推移すると予想される。2026年のワシントン州の生産量は、過去2年間の記録的な水準には及ばないものの、史上3番目の規模となる見込みである。需要は引き続き非常に強く、特に加工向け需要が堅調である。
BC州
作物レポーター:
サニー・ブラール
主力品種・デュークの収穫が続いており、収穫量は今週末にピークを迎える見込みである。ドレイパーは一部の農場で今週末から収穫が始まる予定である。ブルークロップも成熟が進んでおり、デュークとの収穫時期の重なりは例年より大きくなっている。晩生品種のカリプソとリバティも成熟期を迎えている。今春の広範囲にわたる受粉不良はすべての品種に影響を及ぼしており、生産者の中には2回目の収穫量が大幅に減少したと報告する例もみられる。果実品質は全体として良好で、硬度や食味も優れている。果実サイズは農場間でばらつきがあるものの、ブルークロップとカリプソは、デュークよりも果実サイズが比較的そろっている。IQF(個別急速冷凍)向け加工が始まっている。SWDの捕獲数はこの1週間で大幅に増加しており、一部地域では果実腐敗もわずかに確認されている。 州全体の2026年産生産量は約1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)へ下方修正された。州内の栽培面積の約半分を占める主力品種・デュークの収穫量は平年比35~40%減となる見込みであり、今シーズンの減産の最大の要因となっている。その他の多くの品種も平年を5~10%下回る見込みである。生産量の約30%は生鮮向け、約70%は加工向けとして出荷される見通しである。生産量予測は、今後の収穫データに応じて引き続き見直される予定である。2026年は、ブリティッシュ・コロンビア州の生産者にとって非常に厳しい生産シーズンとなる見込みである。
オレゴン州
作物レポーター:
TJ・ハフナー
この1週間は晴天が続き、最高気温は約27~30℃、最低気温は早朝で約10~12℃となった。昨夜、ウィラメットバレーでは雷雨が発生し、ジェファーソン地区の農場では約1.3mmの降雨があったものの、ほこりを抑える程度にとどまった。今後10日間は降雨の予報はなく、最高気温は約27~30℃で推移する見込みである。 デュークは収穫終盤の取り残し果実の収穫がまもなく終了する。ドレイパーは2回目の収穫が進んでおり、今年も果実サイズにばらつきがみられるものの、昨年よりは改善している。トップシェルフとブルーリボンは1回目の収穫を終え、カリプソは1回目の収穫が進行中である。レガシーの収穫を開始した生産者もおり、1回目の収穫量は良好である一方、果実はやや軟らかいとの報告がある。SWDが依然として防除上の最大課題となっており、防除散布の間隔は過去で最も短くなっている。SWDの生活環を抑制するには約29℃を超える高温が継続することが必要とされるが、現時点の予報ではそのような天候は見込まれていない。このため、シーズン終盤の収穫では、SWDの発生を抑えながら品質を維持することが難しくなる可能性がある。 生産量予測は1億5,500万ポンド(約7万300トン)に据え置いており、生鮮向け45%、加工向け55%を見込んでいる。
ペルー
作物レポーター:
ルイス・ミゲル・ベガス
2026/27年シーズンは第18週に開始した。第28週(7月6~12日)の世界向け生鮮ブルーベリー出荷量は1,080万ポンド(約4,900トン)となった。仕向け先の内訳は、米国向け44%・約460万ポンド(約2,100トン)、欧州向け29%、中国向け14%、その他の市場向け14%であった。第28週に出荷されたブルーベリーは、8月第1週目に米国市場へ到着する見込みである。 第18週から第28週までの累計出荷量は4,400万ポンド(約2万トン)となり、前年同期比116%増となった。累計出荷量の仕向け先は、米国向け39%、欧州向け25%、中国向け15%、その他の市場向け20%となっている。

 

 

<今後の見通し>

 

2026年の北米シーズンは、過去2年間の記録的な生産ペースを大きく下回る見込みであり、特にBC州とジョージア州で生産量の減少が顕著となっている。BC州では、生産量予測が1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)と、下方修正された。これは主に主力品種・デュークの収穫量が平年比35~40%減となったことによるものであり、カナダ最大のブルーベリー生産州からの生鮮・加工向け双方の供給は一段と引き締まるとみられる。ワシントン州は、過去の記録的な生産量には及ばないものの、依然として史上3番目の収穫量となる見通しである。また、加工向け需要が堅調であることに加え、シーズン終盤にはペルー産との競合が弱まることも追い風になると期待される。オレゴン州では、生産量予測を1億5,500万ポンド(約7万300トン)に据え置いており、複数の品種で収穫が進んでいる。
一方、シーズン終盤の品質は、SWDの防除状況に大きく左右される可能性がある。ミシガン州では、まもなく収穫の最盛期を迎える。生産量は近年を下回るものの、依然として相当な規模を維持しており、来週は気温の低下が予想されることから、収穫効率の改善とシーズン中盤の出荷量増加が期待される。ニュージャージー州では、生鮮向けシーズンは終了し、残りの収穫は加工用に仕向けられている。国際市場では、ペルーがシーズン序盤から積極的な出荷を続けており、第28週までの累計出荷量は前年同期比116%増となっている。この供給拡大は世界市場への大幅な供給増につながっており、第28週に出荷された約460万ポンド(約2,100トン)の米国向け貨物は、8月上旬に到着する予定である。