ブルーベリー作況レポート|2026年7月23日
2026.07.31
North American Blueberry Council
<エグゼクティブサマリー>
北米では、米国およびカナダの主要生産地でブルーベリーの収穫が本格化している。2026年シーズンは、受粉不良や害虫の発生が深刻化している。
ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)では、生産量予測を約1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)に据え置いているものの、州内の栽培面積の約半分を占める主力品種デュークの減収に加え、ブルークロップの収穫量も当初予想を下回っていることから、生産量全体が押し下げられている。一方、生鮮果実の品質は引き続き非常に良好である。
ワシントン州では、華氏100度(約38℃)を超える猛暑や広範囲で発生している山火事の煙、さらにオウトショウジョウバエ(SWD)やアブラムシの発生が深刻化しているものの、生産量予測は1億9,000万ポンド(約8万6,200トン)を維持している。オレゴン州でも、生産量予測を1億5,500万ポンド(約7万300トン)に据え置いている。短期間ながら厳しい暑さに見舞われたが、生産者は、この高温によってSWDの発生が抑制されることを期待している。ミシガン州では、生産量は6,860万ポンド(約3万1,100トン)の予測をやや下回るペースで推移している。また、積算温度は平年より約7日早いペースで推移している。インディアナ州では収穫がほぼ終了しており、生産量は平年の50%未満にとどまる見込みで、過去でも特に厳しいシーズンの一つとなっている。
<主なポイント>
● BC州は、州全体の生産量予測を約1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)に据え置いている。州内の栽培面積の約半分を占める主力品種・デュークは、受粉不良の影響により最も大きな減収となっており、ブルークロップの収穫初期の結果も当初の予想を下回っている。現時点では、生鮮向け30%、加工向け70%の割合となる見込みである。
● オレゴン州は、生産量予測を1億5,500万ポンド(約7万300トン)(生鮮向け45%、加工向け55%)に据え置いている。今シーズンでも特にSWDの発生が深刻な状況にあるが、火曜日をピークに約4日間続いた華氏100度(約38℃)前後の猛暑は、SWDの抑制につながることが期待されている。一方、今後10日間は華氏70度台から80度台前半(約21~28℃)の比較的穏やかな気温が予想されており、SWDの再増殖を助長する可能性が懸念されている。
● ワシントン州は、生産量予測を1億9,000万ポンド(約8万6,200トン)(生鮮向け5,700万ポンド〔約2万5,900トン〕、加工向け1億3,300万ポンド〔約6万300トン〕)に据え置いている。華氏100度(約38℃)を超える猛暑や広範囲に及ぶ山火事の煙に加え、1,000万ドルを超える作物被害が見込まれている生産者もいるものの、生産量予測は維持されている。SWDの発生が深刻化していることから、防除散布は5日間隔で実施されており、さらにアブラムシの多発によるウイルス媒介を防ぐため、2週間ごとの追加防除が必要となっている。
● ミシガン州は、2026年シーズンの生育は、積算温度(GDD)からみて長期平均より約7日、過去5年平均より約3日早いペースで進んでいる。ヴァンビューレン郡、アレガン郡、オタワ郡、マスキーゴン郡では複数品種の収穫が重なって進んでいる。現在の生産量予測は6,860万ポンド(約3万1,100トン)(生鮮向け3,760万ポンド〔約1万7,100トン〕、加工向け3,140万ポンド〔約1万4,200トン〕)としているが、晩霜や受粉時期の影響が依然として残っていることから、最終的な生産量は予測をやや下回る可能性がある。
● インディアナ州は、大半の生産者で収穫が終了しており、現在も収穫が続いているのはミシガン湖周辺の一部産地のみで、今後10日以内に収穫を終える見込みである。最終的な生産量は平年の50%未満にとどまる見通しで、同州にとって近年で最も厳しいシーズンの一つとなった。
<地域別作況>
| 地域 | 主なポイント | 見通し |
|---|---|---|
| ブリティッシュ・コロンビア州 作物レポーター: サニー・ブラール |
主力品種・デュークの収穫は終盤を迎えている。一方、ドレイパーの収穫が本格化するとともに、多くの農場ではブルークロップの収穫も始まっており、複数品種の収穫時期が重なる状況が続いている。こうした状況は、今後もしばらく続く見込みである。カリプソとリバティは果実サイズが順調に向上している。受粉不良の影響はデュークが最も大きく、減産の主な要因となっている。ドレイパーにも受粉不良の影響が見られるものの、その程度は比較的軽い。収穫が始まったブルークロップの初期結果でも、収穫量は当初の予想を下回っている。生鮮果実の品質は、果実の硬さやブルーム(果粉)の状態から見ても非常に良好である。晩生品種では果実サイズの改善がみられる一方、多くの農場で着果量は依然として少ない。SWDの発生状況を継続して監視する必要があり、暖かい天候が続いている。 | 州全体の生産量予測は、約1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)に据え置かれている。現在の出荷割合は、生鮮向け約30%、加工向け約70%と見込まれている。今後、ブルークロップおよび晩生品種の収穫データが集まり次第、生産量予測を引き続き精査していく予定である。 |
| オレゴン州 作物レポーター: TJ ・ハフナー |
水曜日まで4日間連続で華氏90度(約32℃)を超える猛暑となり、火曜日には最高気温が約100度(約38℃)に達した。この高温は、SWDの繁殖を抑制する効果が期待され、生産者に歓迎されている。一方で、SWDの発生は依然として非常に深刻であり、高温時には害虫抑制効果を最大限に高めるため、蒸発冷却システムの稼働を停止している。 デュークの最終収穫はおおむね終了し、ドレイパーは3回目、レガシーは2回目の収穫が進行中である。カリプソも間もなく2回目の収穫が始まる見込みである。デュークとドレイパーの果実サイズには地域差がみられ、この点はオレゴン州立大学が毎年開催する技術研修会・現地視察会「ブルーベリー・フィールドデー」でも広く指摘された。一方、レガシーをはじめとするシーズン中盤から後半の品種は、果実サイズ、収量ともに良好である。来週末までにオーロラの収穫を開始する生産者もおり、シーズンの進行が例年より早いことがうかがえる。 |
生産量予測は1億5,500万ポンド(約7万300トン)を維持しており、内訳は加工向け55%、生鮮向け45%としている。今後10日間は、約21~28℃の比較的穏やかな気温が予想されており、SWDの発生拡大が懸念されている。 |
| ワシントン州 作物レポーター: アラン・シュライバー |
州内では1週間を通して華氏100°F(約38℃)を超える猛暑が続き、広範囲で発生した山火事による濃い煙に覆われた。生鮮向けではドレイパーの収穫が終盤を迎え、オーロラとラストコールの初回収穫へ移行している。一方、加工向けでは引き続きドレイパーの収穫が進められている。ドレイパーの果実品質は良好であるものの、デュークの減収を補うまでには至らなかった。SWDの発生は依然として深刻であり、生産者の間ではシーズン終盤への影響を懸念する声が高まっている。適切な防除管理を実施している農場では、5日間隔で薬剤散布を実施している。また、アブラムシの発生が多く、ウイルス媒介のリスクが高まっているため、2週間ごとに追加の防除を実施している。州西部では、平年を上回る華氏90度(約32℃)前後の高温が続いている。デュークの加工向け収穫が進んでいるが、果実サイズが小さくばらつきも大きいため、収穫量は平年並みからやや下回っている。一部の生産者では、果実サイズ果実サイズを確保するため収穫を通常より遅らせた。ブルークロップは概ね平年並みの収量となっている一方、ドレイパー、リバティ、ハーディブルーは2025年の記録的な収穫量を下回っている。灰色かび病およびマミーベリー病の発生は少なく、病害の発生状況は全体として比較的落ち着いている。 | 生産量予測は1億9,000万ポンド(約8万6,200トン)に据え置いており、内訳は生鮮向け5,700万ポンド(約2万5,900トン)、加工向け1億3,300万ポンド(約6万300トン)としている。既存園地における「デューク」の減収は2,000万ポンド(約9,100トン)を超えると推定されるが、新植園で増産した「カリプソ」約600万ポンド(約2,700トン)がその一部を補っている。なお、ある生産者では8桁ドル規模の収穫損失が発生している。生産量予測については、「モントレー」の収穫開始前に見直しが行われる可能性がある。 |
| ミシガン州 作物レポーター: エミリー・パルカンツキー |
先週末は山火事による濃い煙と大気汚染の影響を受けたが、その後は状況が改善している。週末にかけて、気温は華氏70度台半ば(約24℃前後)から80度半ば~後半(約29~31℃)まで上昇する見込みで、日曜日から火曜日は、にわか雨や雷雨が発生する可能性がある。ヴァンビューレン郡では、ブルークロップの2回目から3回目の収穫が終盤を迎えている。エンヴォイとカリスマは最終収穫、ドレイパーとキープセイクは2回目の収穫、カーゴは初回収穫が進行中である。リバティとレガシーも収穫が始まっている。センセーションは果実の約50~75%が着色しており、エリオットは一部の農場で初回収穫が始まった。アレガン郡およびオタワ郡では、ブルークロップの2回目の収穫が進み、ネルソンとドレイパーも一部で収穫されている。エンヴォイは2回目、キープセイクは初回収穫が進行中である。加工向け品種の収穫量は増加傾向にあり、リバティは約50%が着色している。オーロラとエリオットは、果実が緑色の段階から着色初期の段階にある。マスキーゴン郡でも収穫が本格化しており、デュークとエンヴォイの選果・包装作業が行われている。ブルークロップとネルソンもまもなく初回収穫を迎える。積算温度は長期平均より約7日、過去5年平均より約3日早いペースで推移しているものの、今週はその進行がやや緩やかになると予想されている。また、オーロラの収穫が始まり、晩霜や受粉時期の影響が収量や果実の状態に現れ始めている。現在の管理上の重点課題は、収穫後の果実腐敗を防ぐための防除、品種ごとの収穫時期が重なる中での適期収穫、そしてSWDの防除である。 | 2026年の生産量予測は総計6,860万ポンド(約3万1,100トン)としており、このうち生鮮向けが3,760万ポンド(約1万7,100トン)、加工向けが3,140万ポンド(約1万4,200トン)を占める。生産量は当初予測をやや下回る見込みである。また、生育の進行は、長期平均と比べて約7日先行している。なお、最新の生産量推計については、現地レポーターからの報告を受けて更新する予定である。 |
| インディアナ州 作物レポーター: パット・ゴイン |
2026年産の収穫は、大半の生産者で終了した。ミシガン湖周辺の一部の生産者では現在も収穫が続いているが、今後10日以内に終了する見込みである。 州全体で収量は平年を大きく下回っており、生産者の間では非常に厳しいシーズンと受け止められている。 | 最終的な生産量は、多くの生産者で平年作の50%を下回る見込みである。収穫を続けている産地についても、今後10日程度で収穫を終える見込みである。 |
<今後の見通し>
2026年の北米(米国・カナダ)ブルーベリーシーズンは、シーズン開始前の予想を下回る生産量となる地域が広がっている。その主な要因は、主力品種・デュークの受粉不良に加え、複数の産地でブルークロップやドレイパーの収穫量が当初の予想を下回っていることである。太平洋岸北西部では、BC州が約1億3,500万ポンド(約6万1,200トン)、オレゴン州が1億5,500万ポンド(約7万300トン)、ワシントン州が1億9,000万ポンド(約8万6,200トン)の生産量を見込んでおり、3州合計の生産量予測は維持されている。しかし、害虫の発生、猛暑、品種ごとの減収といった課題が依然として大きな逆風となっている。ミシガン州とインディアナ州でも、生産量は当初の予測を下回るペースで推移している。特にインディアナ州では、生産量が平年の50%未満にとどまり、過去でも特に厳しいシーズンの一つとなる見通しである。このため、シーズンが晩夏へ進むにつれ、北米のブルーベリー供給は一段と逼迫することが予想される。